教育理念とカリキュラムについて
カリキュラムの概要
建築の教養を学びたい人には適していると思います。
最も大きい特徴としては、公式HPからもわかるように手で図面を書くような実践主義であることです。正直、CADの導入前の一昔前の大学の授業体制に近いです。一方で、実務的なことよりも手で図面を引き、頭を使いながら図面を読み解いていくという古典的であり、建築思考の礎になる思考法を知るための手立てを導いてくれる授業はしっかりと時間を割いて取られています。
大学の教養にあたる建築の知識や概念、思想を学びたいのであれば、そのとっかかりとしては十分な授業体制だと思われます。
建築士 試験対策・CAD履修について
実務のためのCADや建築士2級対策の授業は一切ないです。
CADについて
夜間学校に通学する上で、カリキュラムや授業理念はもっとも気にする部分であるかと思います。しかしHPを確認しても強み(早稲田大学芸術学校でいうと図面たくさん書くよ!)についてはわかりますが、ではCADは学べるのかといったようなことは、よくある質問のページの片隅に追いやられています。
早稲田大学芸術学校においては、CADなどのソフトの使用を学ぶことが目的であれば、オススメしまぜん。どんな教育機関でもカリキュラムに含まれないことに関しては同様かとは思いますが、芸術学校ももれずに「(CADに関しては)勝手に学んでください」という方針です。
建築士2級対策について
同様の理由で、建築士2級対策の授業はほぼないに等しいため、2級一次試験のためのペーパー対策(1次試験)はできないと覚悟してください。ただ、2次試験の製図は手書きを求められるため、全く製図が初学の人であれば2次試験の下準備としては十分でしょう。
演習授業の製図について
製図がまったくの初学者でも「手で図面を描けるようになる」ことに重きを置いておるカリキュラムのため、演習授業に関しては十分な講師の人数とTA(建築学部または院生のアルバイトスタッフ)が在中して、疑問点や書き方などの質問や応対は丁寧です。
私自身初めての製図でしたが、人並みに線を引くことはできるようになりました。ただし、製図ができるのと建築士試験対策はまた別物のため、2次試験を受けるのであれに試験対策は別途必要となります。
演習授業の設計課題について
1年時の設計課題は手書きの図面を要求されます。
同授業内で模型制作の手順を学ぶ回もあり、設計課題ではそこそこのクオリティを求められます。そもそも比較的造形表現が得意な人が集まる面もあります。夜間の専門学校といえども、一般的な学部生と同等のクオリティだと思われます。
そのような実際に手を動かして学びを得、そこから新たなる発想と着想を得るといった古典的な学びであることが了承できる人でないと、入学後に「こんなことしたかったわけじゃない…」といったことになってしまうと思われます。
CADや試験対策がない分「建築初学者でも、建築空間の思考方法のいろはから学べる」ともいえるでしょう。手で図面を書くことでCAD上の0と1の液晶画面上でのスクロール作業からだけでは把握できないことも多く存在するのも一理あると思います。
おおお